
AI信仰を生んだ科学信仰
前回、進化信仰を批判するのはAI信仰を批判するためだと語ったが、この関連性が今一つ分かり難かったかもしれないので、もう一度説明しておこう。本来、AI信仰は科学信仰に直結するものである。科学が現世救済を約束してくれる神であるならば、その究極的産物であるAIが神となるのは自明であり、それを数学的に証明することも可能だと信じられた。フレーゲからゲーデルに至る数学基礎論の隆盛は、数学が神に代わって真理を保証できると証明することを夢見る数学崇拝に導かれていた。しかし、その数学崇拝はゲーデルの不完全性定理によって打ち砕かれ、数学基礎論は過去の黒歴史と化したのである。