科学信仰の典型としての進化論

前回、科学信仰の批判をすると予告し、科学的方法論の批判をするつもりだったが、そんな話はつまらないだろうから後日に回す。それより進化論批判の方が面白いので、自然淘汰説は中立進化説によって完全に否定されているという話をしたい。自然淘汰説を科学だと信じ込んでいる現代人の自然淘汰信仰も一つの科学信仰であって、しかもその最悪の例だと私は考えている。

先週(7/21)のNHKのコズミックフロントはウィルスプラネットという題で、グローバリストの手先のNHKにしては素晴らしい内容だった(こういうこともあるので、私は受信料を払っている)。それで先ずこの話をする。この番組の内容は、ウィルスが地球の環境を守る調節システムに不可欠な部品として見事に設計された存在である、ということを含意していた。製作者自身はダーウィニストなので、この驚くべき含意に気付きもせず、このようなウィルスも自然淘汰で作られたに決まっていると能天気に考えているのだろう。

しかしながら、ウィルスの出現を自然淘汰で説明することはできず、何でこんなものが出来たのか?というのは永遠の謎である。ウィルスは自己複製ができず、先ず自分が寄生できる宿主としての生物が居なければ増殖できない。この宿主を全滅させてしまったら自分も滅びてしまう。現在、日本人が悪魔のように恐れているコロナウィルスも、人間を滅ぼしてしまったら自分も滅びるのだから、変異する度にどんどん弱毒化して人類と平和に共存するように作られているのである。

変異する度に感染力が強くなるというのは弱毒化しているからである。誰も重症化しないから気付かずに接触して感染させてしまうので、要するに普通の風邪になったのである。にも関わらず「弱毒化している」と言わずに「感染力が強くなった」と恐怖を煽る言い方をするのはなぜか?しかも選挙が終わった瞬間に感染者数が増えたのはなぜか?この背後には明らかな作為があり、もはや「陰謀論」で片付けられるレベルではない。このような各局の報道は陰謀を隠そうともせず人々を脅迫するためだけの悪意のプロパガンダである。

ついコロナの話になってしまったが、とにかくウィルスという存在は悪魔ではなく、人類にとって絶対必要なものなのである。話をNHKの上記番組に戻すと、赤潮が消えるのはウィルスのおかげだが完全には絶滅させず共存しているとか、白潮というプランクトンもあって、これもウィルスが大量発生を抑えるのだが、その際にプランクトンの死骸が分解され空に舞って雲を作るための核となるという驚くべき内容であった。だからウィルスが存在して初めて、地球の環境システムは保たれているのである。さらに、ウィルスがプランクトンを殺し、炭素を海底に沈めて温暖化を抑制するという、温暖化騒ぎに反する内容もあった。

こんなにも見事な地球の環境システムは自然淘汰などで作れるものではない。そもそも、自然淘汰は強い者だけが生き残る権利があるというエゴ丸出しの思想だから、地球全体のためのシステム設計とは全く無縁の話である。そして生物自体のシステム設計も自然淘汰などでできる次元の話ではない。このような進化論への疑問は吉野さんも街頭演説で話していた。とにかく生命も地球も、さらに言えば宇宙そのものも、余りにもうまく出来過ぎているのであって、神の創造としか考えられない。とは言え、私はキリスト教的な創造論者ではない。私はあくまでも日本人であり、神道の神を信ずる者である。

創造論の神は全知全能の絶対専制君主で、どんな世界でも好き勝手に作れるという、これはこれでエゴ丸出しの神である。とにかく西欧文明は神も人もエゴ丸出しの個人主義なのであって、従って神と人は基本的に敵対関係にある。創造論と進化論の敵対関係もこれを如実に反映している。これは日本人には全く理解できない愚かで幼稚な文明である。キリスト教の恐ろしい審判の神に対して、日本人の信じる神は美しい大自然の背後に感じられる愛の神である。この日本人の心に、宇宙と生命の謎を解く鍵がある。

神が愛だとしたら、神の創造はどのように行われるだろうか?先ず神は宇宙の自律に決して干渉しない。宇宙の物理法則が神の都合で好き勝手に変えられてしまったら、我々は自分の行動が起こす結果を予測できないので、恐ろしくて何もできない。だから決定論的な物理法則には神は決して干渉しない。それは我々の行動の自由を完璧に保証するための神の愛なのだ。しかるに、これを曲解して「神が何もしないのは神が居ない証拠だ」と考える無神論者は余りにも愚かである。

その一方で、世界は非決定論的な偶然に満ちている、ということを量子力学とカオス理論は証明した。この「偶然」こそ、保江邦夫が「神の覗き穴」と表現した神の唯一の干渉手段であり、この覗き穴を通じて神は世界に情報(宇宙の進化を可能にした物理定数や、生命のDNA情報)を自由に与えることができる。目に見えない情報の実在は十九世紀まで全く気付かれなかったが、情報は世界を変える力を持つ立派な実在であることを現代情報社会の我々は理解できるようになった。

我々の住む見事な宇宙は「対称性の自発的破れ」という偶然の累積によって奇跡的に進化できた。同様に、生命の進化も「中立進化」という偶然の累積によって起きたのである。その説明は長くなるので次回に回すが、日本の偉大な進化学者である木村資生は、偶然の突然変異は全くの偶然によって集団中に拡がるのであって自然淘汰の効果は皆無であるという中立進化説を唱え、これは既に完全に確立している。日本人の先祖はいつアフリカを出て、いつ日本に到着したのか、等々の計算に利用される分子時計は、中立進化を認めて初めて使用可能となる。

こうして、宇宙と生命の進化は百%の偶然によって起きた奇跡であるというのが現代科学の正しい結論となる。つまり「創造」と「進化」はどちらも同じことなのである。全く同じ真理を、形而上学的に見れば「神が偶然を介して情報を与えた」という話となり、科学的に見れば「偶然に起きた突然変異の偶然による中立進化」の話となる。こうして創造論と進化論は、偶然を介して情報を与え我々を導く神の愛を理解することによって初めて、和解することができる。次回からは進化論批判の詳細を述べて、その後、神の愛を正しく理解した上で、神と我々の正しい関係性について語っていきたい。

東工大電子工学科卒、電気工学修士取得
米国の神学校に留学、宗教教育修士取得

政教分離は西欧の特殊事情によるもので、
もちろん、カルトは排除されるべきだが、
政治には健全な宗教性が絶対必要である。

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